「彫刻家の妻がつづるコワレモノの日乗」その2

「moon songs 谷口和正 展に寄せて」text by yuchael
うちの小さな洋服たんすに鎮座している、
オレンジ色のレザーブルゾン(めっちゃ重い)。
背中には、悩殺ポーズをきめるマーメード姿の
ピンナップガールがプリントされている。
それは、1991年2月、パリコレクションで発表された
ヨウジヤマモトのもの。
受注生産のそれを、思い切ってオーダーしたのだと言う。
谷口にとって、ファッションデザイナーの山本耀司さんは、
ミュージシャンとしても思い入れの強い存在であり、
そのショーのモデルの中に、デビュー前の
〈ブランキー・ジェット・シティ〉のメンバーがいたことは、
何かの“しるし”だったのかもしれない。
1990年の8月、谷口は、ちょっと浮かれた音楽番組
『イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)』で、
凄まじいパフォーマンスをみせる〈ブランキー・ジェット・シティ〉を目撃していた。
それから導かれるままに、
そのデビューから解散までを見届け、聴き遂げることになった。
いつか洋服たんすがつぶれてしまうのでは!
とわたしが懸念するレザーのブルゾン。
ずっしりとくるその重みは、
谷口の音楽へのあこがれ、そのものなのかも。
長いおつきあいになる、アートや音楽との出会いは、
いつどこでどんな風に訪れるのかはわかりません。
というわけで、オープニングイベントもお見逃しなく!
◆◆◆
音楽へのあこがれを手放すことなく、
彫刻家となった谷口和正のお知らせです。
開催決定!
moon songs 谷口和正展のオープニングを飾る、
アートと音楽を楽しむためのイベントとして、
「Art&Music Porcupaine(ポーキュパイン)vol.2」が、
今年7年ぶりに帰ってきます。
京都市左京区元田中「ギャラリー ニア」さんで、
8月17日(土)19時スタート。
谷口自身がセレクトしオファーした3組の
“うたうたい”によるライブ。
アートと音楽がからみあう一夜、
たくさんの方々とご一緒できますように。
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