「彫刻家の妻がつづるコワレモノの日乗」その1
ゆかえるがつづります。
moon songs 谷口和正 展に寄せて text by yuchael
楽器が使えたなら音楽をやりたかったという、彫刻家・谷口和正。
ピアノ、ガットギター、バンジョー、エレキベース、
そしてエレキギターと様々な楽器との出会いこそあれど、
長いお付き合いには至らず。
高校生の谷口は、日が暮れると、ラジカセを担いで屋根の上にのぼった。
ノイズにまみれた東京のAMラジオ局、文化放送を聴くために
(京都の南方でも、遠くの電波をつかめたらしい)。
その時耳にした〈ルースターズ〉のガールフレンドという曲に、
谷口は大きくゆさぶられたという。
時を経て今、楽器をガスバーナーにもちかえて、
鉄板という楽譜に向かい、心に響いている音のうねりを、
アルファベットや記号に託して溶断している。
「音楽は、ひょいっと飛び越えてくるから」と谷口は続ける。
そう、だれにでも経験がある、あるはず。
どこからともなく流れてきたメロディーが、
肩を抱いてくれたり、背中を押してくれたり。
そして、いつの間にか、自分の一部になっていたり。
あー、音楽って、ふしぎ。
もー、美術って、いったい。
そして、思い立ったのです。これらの日々をつづろうと。
「彫刻家の妻がつづるコワレモノの日乗」
読んでいただけると、うれしいです。
ゆかえる
◆◆◆
音楽へのあこがれを手放すことなく、
彫刻家となった谷口和正のお知らせです。
開催決定!
moon songs 谷口和正展のオープニングを飾るイベントとして、
「Art&Music Porcupaine(ポーキュパイン)vol.2」が、
今年7年ぶりに帰ってきます。
京都市左京区元田中「ギャラリー ニア」さんで、
8月17日(土)19時スタート。
谷口自身がセレクトしオファーした3組の
“うたうたい”によるライブ。
アートと音楽がからみあう一夜、
たくさんの方々とご一緒できますように。
コメントを残す